VRと観光マーケティング

観光局財団は利益を生むために支出することを求められるといった点で、政府内でもユニークな立ち位置にいる部署です。彼らは異なるマーケティング手法に資金を投じることで、自分たちの街や州のアピールに勤めているのです。そして多くのマーケターはVRを使って高い投資効果を達成できています。さまざまなマーケティング手法が出てくる中、VRは財団が思い出に残る体験を作り上げる助けとなっているのです。アトランタの場合、カンファレンスやイベントを企画する人に街をアピールするためのVR体験 ATL360を制作しました。このアプリケーションはホットスポットを利用してアトランタの近辺や市内のレストラン、ホテルなどを紹介しています。アトランタだけではありません。InstaVRを使ったクライアントの一つであるカタール民間航空局はハマド国際空港内の施設について知ってもらうための360度ビデオツアーを設計したのです。ホワイトハウスですらOculus Rift向けの非常に高品質なツアービデオを去年出しています。

日本人の「英会話ベタ」の解決に挑むアイルランド人

人前で話すのは恥ずかしく、練習する術がない─。多くの日本人にとって「英会話」は悩みのタネだ。そこへ、あるアイルランド人起業家が解決に乗り出しました。2010年に楽天やファーストリテイリングが英語の社内公用語化をぶち上げた時、「実験で終わるだろう」という懐疑的な声が出たもですだ。ところが、本田技研工業や資生堂も社内文書に英語を使うことを決めるなど、徐々に各社が社内のグローバル化を進めようとしているのです。社員の英語力を高めたいというニーズに応えて、多くの研修プログラムや教材が乱立する中、アイルランド発のスタートアップが「手軽に社員の英会話力を高めるアプリ」を企業に提供しています。開発したのは、音声処理が専門のソフトウェア開発者、デア・オニール率いる「A5テクノロジー」です。クラウドベースの会話認識システムを使った「A5(英語)PRO」では、ミーティングや電話、クレーム対応といった実際のビジネスシーンの中で使われる英会話をゲーム感覚で学ぶことが可能となっています。

複合現実(MR)とは何か? 注目6事例に見るVRやARとの違い

合現実(MR)とは何か? VRやARと何が違うのでしょうか。フロスト&サリバンでは、複合現実(Mixed Reality、以下MR)を「物理空間と仮想空間が共存しており、かつリアルタイムで仮想空間のコンテンツを操作できる状況」と定義しています。言い換えると、「私たちが暮らしている現実と、仮想空間がミックスされている状態」がMRなのです。マイクロソフトが製作した動画「The animated guide to mixed reality」を見てみると、MRについて明確に理解できるでしょう。日本では、仮想現実(Virtual Reality、以下VR)を活用したアトラクションが人気です。渋谷では「VR PARK TOKYO」というVRアトラクションに特化したアミューズメントパークがありますし、屋内型遊園地である「東京ジョイポリス」でも定期的にVRを活用したアトラクションが提供されているのです。一方でVRやARに比べて、MRはまだ市民権を得ているとはいい難いところです。